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──ランドリートの都 a prologue ── 

──ランドリートの都 a prologue ──

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 その島々は、ある筈のない場所から現れたという。
 
 東西南の三大陸の真中に横たわる『芯海』。後にフローリア諸島と呼ばれるようになるその島々が、過去の地図では「何も無い」とされていた海域に出現したのは、今から十年以上昔の話となる。
 ランドリート、コルトレカン、アノーレ、エルツァンという四つの大島で構成されるこの諸島には、もう大陸では殆ど見られることの無くなっていた『亜獣』が今も暮らし、誰も足を踏み入れたことも無い遺跡や、異質な概念を秘めた地形が数多く在るとされ、発見当時、大陸で活動する冒険者達の間では『亜獣達の楽園』とも、『最後の新天地』とも呼ばれた。
 しかし、この諸島を属領とした西大陸の国アラセマは、諸島に存在する遺跡や発掘される鉱物などによって得られる利益が損なわれるのを恐れ、自国民以外の人間がランドリートの島を除いた三つの島へと渡る事を禁じた。そして慎重に慎重に、未知かつ異質なフローリア諸島の開拓と発展を推し進め、十数年の月日を経てようやくエルツァン以外の島を自らの管理下に置くことに成功した。
 幾つかの問題を残しつつも、こうしたアラセマ皇国の篤い保護を受けたフローリア諸島は、このまま順調に発展していくかに見えた。
 
 だが、これは今より数ヶ月前。丁度『東大陸』のグローエス五王朝で発生した『虹色の夜』とそれに類する騒動が一段落ついた頃、フローリア諸島に一つの異常が発生する。諸島ではあまり確認される事のなかった『鬼種』達が、突然その数を増し始めたのだ。
 そこから先は劇的だった。鬼種の増加に呼応するかのように、通常ならばそれほど害を及ぼすことの無かった亜人や亜獣達が、突然凶暴化するような事件が多発しはじめる。更に近隣の海と、島を構成する土地概念の異常だ。元々異質な概念を持つ地形の多いフローリアの島々ではあったが、ここ数ヶ月でその異常ぶりに拍車が掛かっている。諸島を構成する島々の内、そういった異質地形が少なく土地概念的に最も強固であるとされたランドリートの島でも、一部の地域に土地概念の異常が発生し、島の北東と南西の二つの地域が封鎖され、侵入が禁止されている状態にある。
 その異常により発生する事件を処理し、原因を調査するためにアラセマ本国から正式な軍が諸島へと派遣され、それと同時期に、今までランドリート以外の島では禁じられていた他国民の入島制限も緩められることとなった。そしてその話を聞きつけた三大陸の冒険者達は、『芯海』を越えてフローリアの島へと向かう船に、我先にと飛び乗った。
 ──☆気も、そんな冒険者達の内の一人だった。





 きっかけは、酷く些細な事だったと思う。
 あの左側に立つ男の狡っからい言葉遣いだとか、まだ仕事に慣れてもいない女給に狙いをつけ、執拗にからかう根性だとか。
(こんな筈じゃなかったのだが)
 見回し、☆気は小さく溜息をつく。都の筋、大通りに面した酒場前は既に人だかりの山脈が円状に聳えている。その中央に立つのは、やさぐれた二人の男と、そして自分だ。
 
 フローリア諸島の外れにある島、ランドリート。それと同じ名を持つ『ランドリートの都』は、諸島外からの船を受け入れている唯一の港であるボーグボーデンを中心として発展した都だ。長い船旅を終え、漸くランドリートの都へと辿りついた☆気は、何気なく入った酒場で態度の悪い男二人と出くわした。
 油断していたとしか言いようが無い。彼らに少し文句をつけるだけのつもりが、何故か他の席についていた連中が異様に盛り上がり始め、気づいた時には、酒場の前にできあがった闘場の主役へと祭り上げられていた。まさか廻りの人間があれほど争い事に飢えているとは思わなかった。
 人の輪で作り出された闘技場の真中に立ち、仕方なく己の武器を構えた☆気の脳裏を、都へと向かう船の上で会話した旅人の言葉が掠める。
 
 このランドリートの都では喧嘩はご法度だ。
 
 その旅人曰く、仕掛けた方も受けた方も、ランドリートの治安維持を司る『ランドリート警備団』や『アラセマ常駐軍』に捕まれば営倉行きはほぼ確定だとか。着いた早々ブタ箱直行はできれば遠慮願いたいが、とはいえ、戦いを避けられる状況でもない。もしこの場から逃げ出そうとしようものなら、眼の前に立つ男達よりも、周りを囲む野次馬連中に袋叩きにされかねない。娯楽に飢えた男達の血走った眼がそう訴えている。こうなってしまえば後は──
(とっとと眼の前にいる相手を片付けるしかない)
 再度溜息を溢した後、☆気は値踏みするように相手の二人を眺める。
 戦いというものにおいて、『人数差』というのはなかなかに絶対的で、特に相手が戦闘系の『技法』を習得している場合、一対二の状況を無傷で切り抜けるのは、余程力量に差が無い限りは至難だ。
 またつきそうになる溜息を飲み込み、少々の傷を受けることは覚悟する。そして武器を構え、彼らに向かって一歩踏み出そうとした、その時──


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「──ちょっと待った」

 背後からの制止の声に☆気は動きを止め、振り返る。
 そこには探検家風の軽装とも重装とも取れる装備を身に纏った、壮年と思しき男が一人。野次馬の集団から抜け出し、人々が作る円の内側、舞台の中へと入ってきていた。

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「ンだテメェ、邪魔するつもりかよ!?」
 水を差され殺気だった声をあげるゴロツキの片割れに対し、探検家は己の顎を撫でつつ、その意気を削ぐかのような軽い調子で言葉を継ぐ。
「いや、そういうつもりじゃないんだが。ほら、二対一は流石に公平とは思えなくてね。……そっちの君」
 ☆気を指差し、朗らかに告げた。
「僕が君の手助けをしてあげよう。二対二なら釣り合いも良いし、そっちの方が賭けも盛り上がると思ったんだが、どうだろう?」
 彼の言葉に、囲う人垣から歓声とも怒号ともつかない声が上がる。よくよくそちらを見てみれば、確かに人波の中に賭けの胴元らしき人物の姿がちらほらと見える。……これは、いよいよもって逃げられそうに無い。
「ええい、いちいちうざってぇ……シモンズ! 両方とも畳んじまうぞ!」

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「ウ、ウィッス兄貴!」
 周りの異様な雰囲気に触発されたのか、怯えるように武器を構え、向かってくる二人。包む歓声が一気に最高潮にまで達する。
(まったく、いい見世物だ)
 内心毒づきながら迎撃の態勢へと移行した☆気の耳に、隣に立つ男の気楽な声が届いた。
「ま、僕が見たところ負けはしない。軽く行こう」
 視界の片隅に、肉厚の直刀を引き抜く探検家の姿が掠める。──意外なことに、本当に手を貸してくれるらしい。


vs いつかの二人

TURN1

follower2.gif長身の男 25/25
follower.gif小柄な男 30/30
scout_f.gif☆気 100/100
hamedun2.gifオリオール 210/210 再生


○☆気の攻撃!
 長身の男は11ダメージ!
●小柄な男の攻撃!
 オリオールは7ダメージ!
 オリオールは再生する!
 オリオールは7回復!
○オリオールの攻撃!
 カットダウン!
 長身の男は30ダメージ!ダウン!
 長身の男は倒れた!


TURN2

●小柄な男 30/30
○☆気 100/100
○オリオール 210/210 再生

○☆気の攻撃!
 小柄な男は9ダメージ!
●小柄な男の攻撃!
 ☆気は13ダメージ!
○オリオールの攻撃!
 ヒーリング!
 ☆気は13回復!
 アウェイク!


TURN3

●小柄な男 21/30
○☆気 100/100
○オリオール 210/210 再生

○☆気の攻撃!
 2連携!
 小柄な男は15ダメージ!
○オリオールの攻撃!
 ブレスウェポン!
 ☆気はアウェイク!
 オリオールは攻撃力が9増加!アウェイク!
●小柄な男の攻撃!
 ☆気は13ダメージ!


TURN4

●小柄な男 6/30
○☆気 87/100
○オリオール 210/210 再生

○☆気の攻撃!
 小柄な男は10ダメージ!
 小柄な男は倒れた!




 ☆気の攻撃に動きを崩した小柄な男。その隙に彼の側面へと素早く移動した探検家は一足で懐へと飛び込むと、男の脇に肩口を押し当てて気合一閃。
「苛ッ──!!」
 ど、と鈍い音と共に小柄な男の身体が吹っ飛び、☆気達を囲んでいた人垣に突っ込む。
「兄貴ぃ〜!」
 返って来る情けない悲鳴に、長身の男は苛立たしげに数度舌打ちし、
「シモンズ! く……っめぇら、覚えてやがれ!」
 そんな捨て台詞と共に、探検家に吹き飛ばされ腰を抜かしていた男──シモンズといったか──を抱え、這う這うの体で逃げ去っていく。背を向けて人の波に紛れていく彼らを眺めつつ、直刀を背の鞘に収めた探検家は呆れたように一言。
「もう忘れたよ」
 同時に、周囲を包んでいた人々から一際高い歓声と怒号、そして幾つかの胴元らしき人物の間を金が飛び交う。
「君、大丈夫か」
 異様な盛り上がりに気圧され、立ち竦んでいた☆気は、横から掛けられた探検家の言葉に我に返り、慌てて身体を調べる。大した傷は無い。
(勝ったのか……)
 負けることはないだろうと、戦う前、相手の二人を見定めていた時に判っていたものの。事実そうなってみると、やはり嬉しいものだ。
 手助けしてくれた探検家に、☆気が礼を言おうとしたその時──逃げたゴロツキ達と入れ違うように、その逆方向から人々の叫び声が響く。先程まで響いていたような浮かれたものではなく、どちらかといえば警戒を促すような調子の声に、☆気は隣に立っていた探検家と顔を見合わせる。
「なんだ?」
 呟く探検家の声に合わせるかのように、人垣が割れる。そこから現れたのは、アラセマ常駐軍の装備に身を包んだ兵士数人と馬上の騎士一人。
「お前達が騒ぎの元凶か」
 馬上からの高圧的な声に、探検家が首を捻る。
「どちら様かな?」
「捕らえろ」
 問いに答えずに、騎士は言葉短に部下と思しき兵士に指示する。それを聞いた兵士達は無言で手にした短槍の穂先を☆気へと向け、左右から油断なく距離を詰めてくる。
(どうしたものか……)
 一瞬迷い、そして即決する。明らかに正規の物と思われる軍装に身を包んだ者達。無闇に逆らうのは危険だ。☆気は武器を引き、無抵抗を示すために両手を挙げて頭の後ろで組んだ。☆気の隣に立っていた探検家も同じ仕草を取り、苦笑気味に呟く。
「しかし、なにやら物騒だね。この程度の喧嘩にもワザワザ君らみたいなのが出てくるのか?」
 その言葉に、馬上の騎士は剣呑な声をあげた。
「物騒なのはお前達の方だ。この都で乱闘──しかも『技法』を用いた喧嘩など許される筈も無かろう。牢の中で反省することだ」
 騎士の言葉に、☆気は、もう今日で何度目かもしれぬ溜息をついた。

☆気はスキル「クルードスタブ」を覚えた!



──See you Next phase──

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2012/02/02 Thu. 21:51 -edit- Trackback -- / Comment 0

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